【コラム】Bluetoothスピーカーの設置の基本とスーパーウーファーについて
純粋なスピーカーから流れてきた人にとってはごく当たり前の知識なのですが、昨今の世相で最初からイヤホンやヘッドホンで音を聞き、スピーカーというとアンプ入りのパワードスピーカをPCで使うくらいが当たり前になりつつあるので、そういう方向けに極初歩的な知識を幾つか書いておきます。
【スピーカーは設置に音が左右される】
スピーカーというのは基本的に設置場所で音が大きく変わります。
低音が少ない場合は壁や床が硬い場所に設置した方が低音が増えるのでよい結果を生む場合が多くなります。
ただし、低音がブーミーになってしまう場合もあるので色々と試行錯誤が必要です。
またこの場合、中高音域にも「濁り」が出る場合もあるので、その場合は適度に吸音してやったりしますが、この加減がとても難しかったりします。
ですので、スピーカーを設置する場合、まずフローリングなどの硬い床に直置きして音出しをして、次に柔らかい絨毯の上などに置き、その都度音を確認して確かめる必要があります。
【スピーカーは低音が出ないのが普通】
Bluetoothスピーカーというのは物理的に低音がでません。
これはウーファーのサイズが小さすぎることが原因で、そもそも今のBluetoothスピーカー程度の大きさでは低音というのは出ないものです。
簡単な話をすれば満足のいく低音を出すにはドライバ直径が25センチ以上はどうしても必要になります。
しかもそれを鳴らすアンプは20-30キロのアナログアンプが必要となります。
ですので物理的に不可能な低音にこだわるよりも、質のよい低音は綺麗に諦めましょう。
もしくは多少不自然にはなりますが、パッシヴウーファーやバスレフという機構を備えたスピーカーで補った低音を持つスピーカーを用意する必要があります。
Bluetoothでこのタイプのスピーカーは手の平サイズのモノでは今のところ存在しません。
20-30センチの横長サイズのBluetoothスピーカになると見掛けるようになりますが、質のよい低音を出力できる製品は数が限られています。
ちなみにパッシヴウーファー搭載品では低音の質にかなり問題がある製品もよくありますので、注意して下さい。
【ステレオ使用の方が圧倒的に音が良い】
Bluetoothスピーカーは単独で使うモノが主流です。
ですがここ最近はTWS対応という、ようするに同じスピーカーを2つ用意してペアリングさせ、ステレオスピーカーとして使える機能をもったBluetoothスピーカーが出回りだしています。
僕が聞く限りではこのTWS機能は絶大な威力があり、1つのスピーカを単独で使うよりも遙かに音は良い傾向があります。
なので、少しでもBluetoothスピーカーで良い音のモノが欲しければTWS機能対応の製品でステレオ使用することが手っ取り早いと思います。
ちなみにモノラルとステレオでは「音のチューニング」が全く違うので、ステレオ使用前提では「音がマイルド」なスピーカーを選んだ方が好結果を生みます。
低音も単独ではすこし少ないくらいで無いとステレオにしたときに今度は低音が飽和します。
要するにTWSでつかう場合、ステレオ用にチューニングされた音のスピーカーが必要だという事です。
この場合、単独で使うと音が悪いので評判が悪くなりますが、TWSとしてのチューニングの方向としては正しくなります。
と云うわけですのでTWS対応機のレビューは注意して確認する必要があり、単独使用で音が悪いというレビューがあっても、ステレオ使用にすると格段に音がよくなるからです。
【スーパーウーファーの使用も考えてみる】
サウンドバータイプのスピーカなどが筆頭になりますが、据え置きタイプのBluetoothスピーカーの場合、その場所から移動しないことが前提となるのなら、なにかしらのスーパーウーファーを導入してしまうのもよい方法です。
価格が安くて質のよい低音などまずもってあり得ないのですが、それでもBluetoothスピーカーに合わせる適度なサイズと価格のスーパーウーファーでも無いよりはかなりマシになります。
低音が出ないものを無理に何とかするよりも、具体的に低音の問題をある程度解決してしまうのがスーパーウーファーなので、積極的に考えてみるのも一興です。
少なくとも映画などを見たり、ゲーム等に使用すると絶大な威力があるのがスーパーウーファーです。
ただし、普通には接続できないので、5.1chサウンドボード付きのPCで接続する場合に限られます。
もしくはAVアンプにBluetoothスピーカーを有線接続してウーファーを使い、必要な場合にBluetoothに切り替えるなどの手間が必要です。
普通に考えればメインPCの中核スピーカとして考える場合が現実的でしょう。
もともとBluetoothスピーカーとPCは相性がよいので、その場合は少しでも音を良くするためにスーパーウーファーというのは有りだと思います。
テレビなどのスピーカーとして使用する場合は格安AVアンプで十分なので、この場合もスーパーウーファーが生きてきます。
AVアンプならハイカット周波数の設定なども自在なので、活用範囲が大きく広がります。
ちなみに注意点ですが、安いスーパーウーファーはそれ単独でハイカットが設定できない場合が多いのでAVアンプと組み合わせて使うことが前提となります。
なぜこんな手間をかけるのかというと、PC使用などの場合ではもともとまともなアクティブスピーカーが少ないので、競争が激しくて進化を続けるBluetoothスピーカを活用していくというのは有りだと思います。
そういう意味では最近のBluetoothスピーカの多様な選択肢はいい方向に向かっていると個人的には思っています。